こんにちは。オンラインで学べる、大人のためのスマホ&パソコン教室
(www.pasocom.net)代表で、スマホ活用アドバイザーの増田由紀(@yukinojo7)です。
和風なものと嵐が大好きです。シニア世代の方々のスマホレッスンをやったり、スマートフォンやLINEの入門書を書いたり(Amazon著者ページはこちら)、仕事で使いたいのにSNS活用が苦手な方のためのお手伝いをしたりしています。
このブログでは、日々感じるスマホの活用法や私なりの工夫、IT技術の話などをメインに、なるべくわかりやすくお伝えしようと思っています。
京都へ出張。写真もたくさん撮りましたので、その様子をブログにまとめてみます。
—
飛行機に乗る時は機内モード。
・・・ということで、京都へ出張です。本に使う写真や、教材に使う写真や動画、画面ショットなどなど、仕事に関係するものを撮りに行ってきました。京都の夏は暑い。そしてこの時期、祇園祭の真っ最中だからホテルも取れるのかどうか、というところでしたがネット検索で何でもできる時代ですね。
今回は新幹線ではなく飛行機で伊丹空港まで。そこから京都へ向かうことにしました。
事前にネットで、羽田から伊丹空港に向かうにはどっち側の席がよいか、というのも確認して左側の窓際を予約しました。座席も事前に決めておけるから楽ですね。
京都迎賓館へ
伊丹空港から京都まではリムジンバスで1時間弱。待ち合わせの人に会うにもまだ時間があります。
そこで一度見たいと思っていた京都迎賓館へ。事前に予約しておきました。
【京都迎賓館HP】
【京都迎賓館ガイドツアー】
正面玄関
京都迎賓館は平成17年(2005年)に、海外からの賓客を心をこめてお迎えし日本への理解と友好を深めていただく施設として、設立されました。
出迎えてくれるのは樹齢700年の欅(けやき)の扉。福井県産の欅の一枚板を使用しています。木目もお揃いできれい。
引手は銅製です。引手には京都の組紐をモチーフにした「有線七宝(ゆうせんしっぽう)」が施されています。
時間ごとに区切られた1グループに2名のスタッフが付きます。扉オープン!です。
扉があくと正面玄関。お客さまがいらした時は、その方の好みや国の特徴によって、花器、屏風、花材が決められ、いけばなが飾られます。
日本の伝統家屋って、木と紙で作られているんですよね。そして直線。
海外のお客さまがいらしたときは、靴で入っていただくので床は欅ですが特殊加工が施されて傷がつきにくくなっているそうです。
カーテンは使わずに障子が使われています。柔らかい光がいい感じです。
行灯は本美濃紙を使用。鉄や釘を一切使わない「京指物」という技術が使われています。不思議と落ち着く空間です。
聚楽の間
廊下を抜けると「聚楽の間」です。
ここは晩餐会や大臣会合などが行われる際に、招待されたゲストの控室、随行員の待合などになるスペース。椅子には「西陣織」の布地が使われています。
上を見ると「釘隠(くぎかくし)」。これは「千代結び」をイメージしたもので、「錺金物(かざりかなもの)」で作られています。「千代結び」には人と人との結びつき、平和の輪といった気持ちが込められています。
絵画はその時々で違うそうです。
また廊下を抜けていきます。もっと混雑しているかと思ったら、私たちのグループ(3人)だけで本当に静かな迎賓館を贅沢に楽しめます。
夕映えの間
池に面した建物で、窓も横に広く取られています。
こちらは「夕映の間」です。
大臣会合などの会議や立礼式(りゅうれいしき)のお茶のおもてなし、晩餐会の待合として使用されています。
壁面を装飾するのは2つの織物作品。
こちらは「比叡月映(ひえいげつえい)」
こちらは「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」
その2つの名前から「夕映えの間」と呼ばれています。「綴織り」という技法で織った織物です。
「写真撮影されるときも、膝はつかないでください」と言われたのがこちらのカーペット。
緞通(だんつう)が使われています。水面に雲が映りこんでいる情景を表現しています。白線の中にある点々は、池の砂利を表しています。
藤の間
そしてまた廊下を抜けていきます。
こちらは「藤の間」。京都迎賓館で最も広い部屋です。晩餐会や歓迎式典の会場として使用されています。
テーブルセッティングの様子がディスプレイされていました。
壁面装飾は 綴織りの技法で織った織物で、39種類の草花が織り込まれており、作品名は、「麗花(れいか)」。
藤の花も見られますが、藤の花言葉は「歓迎」なんだそうです。まさにお客さまをお迎えするのにふさわしいお花なんですね。
部屋に入る日の光が柔らかく、横に長い窓から見える池が涼しげに見えます。
横に舞台があるのですが、その扉には伝統技能である「截金(きりかね」が使われています。金箔とプラチナ箔の繊細な模様が素敵です。作品名は、「響流光韻(こうるこういん)」
こちらも緞通が敷かれていて、膝をついたり荷物を置いたりしてはいけません。
壁面装飾に描かれた「藤の花」が舞い散った様子が表現されています。
桐の間
再び廊下を通って次の間へ。池を取り囲むように建物が建てられているんですね。
檜扇(ひおうぎ)と几帳が飾れていました。
几帳は紫裾濃「浪二彩桧扇(なみにさいひおうぎ)」というもの。
釘隠しには政府の紋章である「五七の桐」が。
かつて鳳凰が姿を現したときは、唯一その止まり木とするのが「桐の木」であるという謂われがあったそうで、桐の木は神聖なものとされました。この「五七桐紋」は、桐紋の中で最も権威が高く、昔は皇室の裏紋として使用されていましたが、現在は日本国の政府機関を象徴する紋章として使用されています。
中央にあるのは全長12メートルの漆の一枚仕上げのテーブル。ピカピカに磨かれてまるで鏡のようです。
こちらは和食を提供する「和の晩餐室」です。正座が苦手な海外のお客さまのために、掘りごたつスタイルになっています。
座椅子の背にも蒔絵で「五七の桐」がデザインされています。桐の葉の色は微妙に異なっていて、同じ模様の椅子はないとのこと。
部屋に入った途端、畳のいい香りがしてきました。畳の中央になぜ模様が入っているのだろう?と不思議でしたが、これはイグサのいい部分だけを繋いで作る「中継ぎ表(なかつぎおもて)」という昔ながらの技法。
座った時に景色がよく観られるように計算された窓だそうです。
庭園
池を囲むように配置された建物。
その池を渡る廊橋の天井は、船底を逆さにしたような形です。吉野杉を使った「船底天井」です。
四隅には、職人の遊び心で昆虫の透かし彫りが施されています。1つ撮り忘れました。
京都迎賓館の庭園は、まわりの建物に融け合うように配置されています。どの部屋からも庭園の景色が楽しめます。「庭屋一如」の思想で作られているそうです。
京都迎賓館の庭園の池には、錦鯉がいます。これは、2004年の新潟県中越地震で被災した旧山古志村産の錦鯉を、被災後に買い取ったものだそうです。
青い空と白い雲が池に写って、美しい景色でした。
最後は「和舟(わせん)」。海外からのお客さまに、日本の文化「舟遊び」を楽しんでもらう趣向です。舟遊びなんて体験をしたら、海外のお客さまの印象にも残るでしょうね!
私が参加したのはガイドツアー方式です。指定の時間に集合場所に集まって、グループで行動するのですが、耳にイヤフォンをかけながらツアーは進むので、説明のガイドさんが少し離れていても、静かに説明を聞きながら京都迎賓館を回ることができます。
建物や調度品には、数寄屋大工、左官、作庭、截金(きりかね)、西陣織や蒔絵(まきえ)、漆など、数多くの伝統技能と匠の技が使われています。それら一つ一つをゆっくり見ながら回るガイドツアーは、とてもよかったです。京都迎賓館はとても日本らしい、素敵なおもてなしの場所でした。
縦写真、縦動画でまとめた短い動画です。