こんにちは。オンラインで学べる、大人のためのスマホ&パソコン教室
(www.pasocom.net)代表で、スマホ活用アドバイザーの増田由紀(@yukinojo7)です。
和風なものと嵐が大好きです。シニア世代の方々のスマホレッスンをやったり、スマートフォンやLINEの入門書を書いたり(Amazon著者ページはこちら)、仕事で使いたいのにSNS活用が苦手な方のためのお手伝いをしたりしています。
このブログでは、日々感じるスマホの活用法や私なりの工夫、IT技術の話などをメインに、なるべくわかりやすくお伝えしようと思っています。
3日目の京都、せっかくこの期間に来たのですから夜は祇園祭りを見学することにしました。
祇園祭の最中は、所蔵している屏風や工芸品などを飾り、祭り見物に来た人に見てもらうという風習があるそうです。
祇園祭を支えた京都の町衆達は、互いに競い合って山鉾を飾るようになりました。経済力のある町衆達は、世界中から珍しいものを集め、質の高い美術や工芸品を買ったり作ったりすることで、美術や芸術の保護をし、守り育てていきました。
祇園祭では、かつての町衆達が所蔵している屏風や工芸品、絵画などを飾り、親戚知人を招いて食事を振る舞い、鑑賞していたそうです。そしてそれを、祭り見物に来た人たちにも、格子越しに見てもらったそうです。
少なくなったとはいえ、今でもそうした風習が続いていて、屏風が多く飾られることから「屏風祭り」と言われています。これは祇園祭の公式な行事というよりも、個人宅で行っていたり、一部有料で開放したりしているものなので、観光客が団体で見物に行くというようなものではないようです。
有料で見られるおうちの一つ、杉本家にお邪魔しました。
▼重要文化財 杉本家住宅
飾られているのは、「ヒオウギ」です。長い葉が重なり合うように並ぶ姿が、平安貴族たちが使った「檜扇」の形に似ているところからこの名前が付きました。祇園祭では古くから「祭花」として、ヒオウギを玄関や軒先、床の間に飾るそうです。このヒオウギ、昔は悪霊退散に用いられたことから、祇園祭には特に欠かせないものとされてきました。
絵が描かれたすだれに掛け軸、手前にはお箏が飾られています。
ふすまの柄は雪模様でしょうか、白い模様が少し浮き上がって見えます。
こちらはアダン。南国産の植物で、大きな実がついた枝ごと活けられていました。
この家に暮らした新婚の若夫婦のために整えられたイスとテーブルセット。
室内にもすだれがかけられ、すだれ越しに見る景色が少し暑さを和らげてくれるよう。
こちらは絹の布を張った上に金を縫ったものだそうです。
長いひさし、少し広めにとった縁側。これも太陽の熱を遮る工夫でしょうか。
京都の町屋は縦に長く、窓を開け放つと部屋の中を風が通り抜けるように作られています。冷房器具などない、暑い京都の夏を少しでも過ごしやすくする設計なんですね。
少し夕暮れ時の室内は暗く、窓の外は明るく、この光と影のコントラストが落ち着きます。
庭には兎さんの彫刻。お水をかけてもらって涼しそうです。
足元は籐網代の敷物。夏の間の敷物ですね。
杉本家を出てから、また別のお宅へ。ここは一般公開されていないところなので、私が入れるところではないのですが、京都の方とご一緒させていただいたので、客の一人としてお邪魔することができました。
出迎えてくれたのは芽にも涼し気なスモークツリーが使われた生け花。
奥には屏風の前に南国テイストの生け花が。
洋花も日本の伝統家屋にあいますね。
そして室内には屏風が飾られていました。先約のお客様たちもおられたようです。
源平合戦の屏風を前に、私たちにもお茶とお菓子が振る舞われました。
知っている人と一緒でなければ、こういうお宅にお邪魔する機会もないですね・・・
そしてまた祇園祭の夜をそぞろ歩き。
屏風祭りの間は、こうして窓から中を覗いても大丈夫なんです。こちらのお宅でも、屏風が立てられ、生け花が飾ってありました。奥では、お客さまが会食中でした。
よくよく見ると、舞妓さん?芸者さん? 和装の女性がいましたよ。
こちらのお宅も、屏風の前にヒオウギ。たくさん束ねられたヒオウギですね。
祇園祭のころに、こうして屏風を見て回る風習があるとは知りませんでした。しかも京都の方と一緒に回ったので、見ず知らずのお宅にもお邪魔することができ、連綿と続いている京都の風習を肌で感じることができました。
縦動画や写真をまとめた短い動画です