親にLINEを教える(7)見やすくする ― 通知・ピン留め

前回は、写真の話でした。

親にLINEを教える(6)写真 ― 送り方と保存

この連載も、今回が最後です。

LINEを使っていてよく聞かれる質問に、いくつかお答えします。

 

LINEの赤い数字が消えない ― シニア世代にはこれが気になる

教室の生徒さんもすごく気にされるのが、LINEのアイコン(絵柄)に表示される赤い数字。1つでも残っていると、どうしてもそれが気になるようです。

あれは、未読のお知らせの数です。読めば消えるのですが、トークも全部読んだはず、見たはずなのにまだ「1」残ってる。この正体がわからないと落ち着かないようです。

LINEのアイコンに表示される未読の赤い数字

 

何度もチェックしているのに、そして読めば消えるはずなのに、どうしても消せない数字。それはたいてい「公式LINE」だったりします。友だちじゃなくて、企業などのLINEです。

まとめて消す方法があります。

(やり方:LINEの赤い数字をまとめて消す方法LINEのトークを一度に全部見たことにする方法

 

すごく気にされているようなら、きれいにする方法があることを教えてあげてください。

理由がわかればそれだけで、納得する方もいますし、それでもどうしても数字を消してすっきりしたい、という方もいらっしゃいます。

 

LINEの通知をオフにする方法 ― 通知のオン・オフはちょっと紛らわしい

通知が来ると音が鳴るようにしている方は、「あ、LINEが来た」とすぐにわかって便利にお使いです。でも鳴りすぎると、気になって疲れてしまう方がいます。

特に、サークルや自治会のグループに入っていて、やり取りが頻繁だったり、メンバーが多かったりすると、一日中通知が来ることになるかもしれません。

親御さんは「自分に用があるのかも」と思って、そのたびに画面を見る。

もう寝ようかなと思っているのに、通知が来る。「何かお知らせなのかな」と思って、そのたびに画面を見る。

全部の通知を受け取る必要はありません。

家族のトークだけ通知を鳴らして、大人数のグループは通知を切る。そういう分け方ができます。トークごとに設定できるので、うるさいグループだけ静かにできます。

「切ったら見逃すのでは」と心配されるかもしれませんが、開けばちゃんと残っています。鳴らないだけで、届かないわけではありません。ここを説明してあげると、安心して切れます。

通知のオン・オフはちょっと紛らわしいので説明します。

(1)トーク画面の右上【≡】をタップします。

LINEのトーク画面右上の≡をタップする

 

(2)【通知オフ】と表示されている状態の時、通知が来ます。これは、ここをタップすると「通知オフになるよ」という意味で、「今の状態が通知オフですよ」という意味ではありません。LINEのメニューに通知オフと表示されている状態は通知が来る

 

(3)【通知オフ】をタップすると【通知オン】になります。この状態の時、通知は来ません。これも、ここをタップすると「通知オンに戻るよ」という意味で、「今の状態が通知オンですよ」という意味ではありません。

LINEのメニューに通知オンと表示されている状態は通知は来ない

 

メニューの読み解き方を教えてあげるとよいでしょう。今の状態を表しているわけじゃなく、「ここを押すとそうなるよ」ということ。

 

LINEのトークをピン留めする ― 多すぎて見つからないとき

使い始めて半年もすると、トークの一覧がずらっと長くなります。

そうすると、いつも連絡する相手が、下のほうに埋もれます。毎回毎回、指をせっせと動かして見つけるのは面倒です。

「これ何とかなりません?」と質問がよく来ます。

よく使う相手は、一番上に固定しておきましょう。

娘、息子、いちばん仲のいいお友だち。3つか4つ、上に留めておくだけで、「探す」という作業がなくなります。

(1)トークの一覧で、ピン留めしたいトークを見つけます。

(2)Androidは、トークを長押しして【ピン留め】をタップします。

   iPhoneは、ゆっくり右に動かして【ピン留め】をタップします。

LINEのトークを長押しまたは右に動かしてピン留めする

これで、よく使うものが上の方に表示されるので、探す時間がグッと減らせます。

 

 

それでも、勝手に変えないでください

今回お話ししたことは、親の代わりに全部こちらでやってしまえば早いでしょう。

赤い数字を消して、通知を切って、ピン留めして。5分で終わります。親御さんが席を外している間に、できてしまいます。

でも、勝手にはやらないでください。

勝手に変えられたスマホは、どこか「自分のスマホ」ではなくなってしまいます。

また「やってもらえばいいか」という気持ちにさせてしまうかもしれません。

自分のものだと思えなくなった道具には、愛着もわかないものです。

×「貸して、やっておくから」
○「ここ、変えても大丈夫かな? 手伝うから一緒に見てくれる?」

説明しながらやったとしても、そう時間がかかるわけではありません。

もちろん一度説明したぐらいで、親が覚えているわけがない、と思うかもしれません。

でも、「自分のスマホは自分で面倒を見る」という気持ちになっていただく必要があります。親御さんのスマホは、「自分の持ち物、自分の道具」であり続けてほしい。

説明するのが面倒で「貸して、私がやるから」が毎回続けば、「あの子がやってくれるからいいか」「別に私がやらなくてもいいか」「別に覚えなくてもいいか」になってしまうかもしれません。

いや、覚えよう。やろう。と私は思います。

誰かに頼む、誰かが解決してくれる。

面倒なことはいつでもやってあげる。私がやった方が早いし。

それは一見、ものすごく親孝行に見えるかもしれません。

でも、親御さんの

「自分で何とかしないと」

「自分で覚えないと」

「できるようになりたい」

「自分一人で使えるようになりたい」

という気持ちを、妨げてしまうことになるかもしれません。

 

ちょっと頑張れば覚えられたのに。やろうとすればできたのに。

楽な方へと、誘ってしまうことになりかねません。

自分の道具です。できたら自分で使えるようになってほしい。

もちろんそこに至るまでの、お子様のサポートは、本当に心強いものです。

でもできるだけ、最終的には一人でできるように、上手に持っていっていただけたら、双方にとって望ましい形になります。

 

最後に ― 教えることを、減らしてください

この連載では、友だちの作り方から、メッセージ、通話、グループ、写真、そして設定まで、ひととおりお話ししてきました。

でも、全部、一度に教えなくて、大丈夫です。

第1回でお話ししたことを、覚えておられるでしょうか。

私が考える「使いこなす」は、「自分のやりたいこと」が、「自分のペース」で、「自分ひとりで」できること。この3つがそろえば、もう十分です。

 

高齢の親にLINEを教える前に ― 質問してくれる今が、いちばんのチャンスです

 

親御さんにとって「やりたいこと」は、たぶん3つか4つです。孫の写真が見たい。無事を伝えたい。誘いに返事をしたい。この連載に書いたことの、半分も必要ないかもしれません。

だから、最初から全部やろうとしなくても大丈夫。

親御さんが「これがしたい」と言ったときに、このブログをぜひ参考になさってください。

そして、そのときはぜひ隣に座ってあげてください。二人のあいだに、この画面でも、本でも、メモでも、何か置いてください。

間に置くならこの本をぜひ(笑)

『世界一簡単! 70歳からのLINEの使いこなし術』の書影

間に何かを置くと、「なんでできないの」と目の前の相手を責めるのではなく「じゃあ、ここに書いてあるから見てみようか」になります。一緒に問題解決、というスタンスです。

親御さんが聞いてくれるうちが、チャンスです。お子様世代にとっては「またか・・・」とうんざりする日もあるかもしれません。

でもそれは、覚えようとしてくれているということですから。

 

最後に私のエピソードを一つ。

親の見守り、介護関係の記事に関連して、親に「これだけはやっておいてよかったな」と思うことはなんですか、と聞かれることが割とあります。

私は、「両親共に同じ機種で、早めにスマホを使い始めてもらったこと」とお答えしています。

プレゼントという形を取らないと、なかなかスマホに切り替えてくれなかった父。「使ってみたい!」とウキウキとスマホにしてくれた母。

渋る父に「私、この仕事してるので、お父さんが使えないと、本当に私が困るの」とお願いして、ようやくその気になってもらえたのが、思い起こせば9年前のこと。

今思えば、あの時決断して、動いて、本当によかったなと思っています。

 

「うちの親、もう遅いかな」なんて思わずに、ぜひ思い立ったが吉日です。

1日も早い方が、ちょっとでも覚えもいいのではないでしょうか。

 

 

連載のまとめ

  • 赤い数字が気になるなら、一度きれいにする
  • 通知は減らしていい。鳴らなくても届く
  • よく使う相手はピン留め。探す作業をなくす
  • 勝手に変えない。5分が7分になるだけ
  • そして、全部教えなくていい

 

重版のお礼と、読者の方からのお声

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。この連載が、親子のあいだに置いておける一冊のような役割を果たせたなら、これほど嬉しいことはありません。

『70歳からのLINEの使いこなし術』が重版となり、3万部になりました。ありがとうございます。

読者の方から嬉しいお声をいただくことが増えています。

「何回も言ったよ」と言うと角が立つので、本を買ってみました。

 

お寄せいただいた声を読ませていただいて、なるほど、と感じたことがあります。この本を買ってくださっているのは、70歳の方ご本人だけではないのです。

「帰るたびに毎回毎回質問されて、実はちょっと困っていました。でも本を渡したら、父も喜んで読んでるみたい」

「様子からして、どうも私から習うのは嫌なんだろうな(父のプライドが…)という父に、さりげなく渡しました。後から母に聞いたら、読んでるみたい!」

 

親に教えようとして、うまくいかなかった方。何度も同じことを聞かれて、少し疲れてしまった方。そういう方が、この本を選んでくださっていました。

本のタイトルにある「70歳」以上の方だけでなく、お子様世代のお役にも立てたなら、本当にうれしいことです。

読んでくださったみなさま、ご感想を届けてくださったみなさま、本当にありがとうございます。

 

この連載の記事一覧


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この記事を書いた人:増田由紀
増田由紀
スマホ活用アドバイザー/
オンラインで学べる大人のためのスマホ・パソコン教室 「パソコムプラザ」代表(047-305-6200)。
ミセス・シニア・初心者の方に向けて、 スマホを「電話とLINEだけで終わらせない」活用法をお伝えしています。
和風なものと嵐が大好き。好きな場所は京都や沖縄。

※取材・講演・監修のご相談は「仕事のご相談」からどうぞ。



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