こんにちは。オンラインで学べる、大人のためのスマホ&パソコン教室
(www.pasocom.net)代表で、スマホ活用アドバイザーの増田由紀(@yukinojo7)です。
和風なものと嵐が大好きです。シニア世代の方々のスマホレッスンをやったり、スマートフォンやLINEの入門書を書いたり(Amazon著者ページはこちら)、仕事で使いたいのにSNS活用が苦手な方のためのお手伝いをしたりしています。
このブログでは、日々感じるスマホの活用法や私なりの工夫、IT技術の話などをメインに、なるべくわかりやすくお伝えしようと思っています。
国立大学の丹生sに「情報」が追加
教室情報誌「なでしこ」の2月号でも今月の話題で取り上げましたが、国立大学の入試に「情報」という科目が追加されるとのこと。
全国86の国立大学で構成される国立大学協会は1月28日、2024年度実施の国立大学入学試験から「情報」を必須科目の一つにする方針を発表しました。
大学入学テストはこれまで、5教科(国語、英語、数学、理科、社会)7科目でしたが、今後は「情報」を追加し原則として6教科8科目制になります。
教科が増えたということなんですね。勉強しなくてはいけないものが増えたのです。
また大学受験に関してだけでなく、高校生にも新しく学ぶ教科として「情報Ⅰ」が追加されました。
国立大学協会によると、高校では新しい学習指導要領に基づいて2022年度から「情報Ⅰ」が必修となります。春に入学する新1年生から全員がプログラミングを授業で学びます
小学校ではプログラミングが授業に入ってきていると聞いてはいましたが、高校生にも必要なんですね。
25年1月ごろから実施する大学入学試験では、一次試験(大学入学共通テスト)で「情報」を受験する必要があるそうです。
「情報」を追加したのは、教養として
「情報」の知識は、教養として必要ということなのでしょう。
教科追加の理由について国立大学協会は「文理問わず必要な教養としてデータサイエンスやAI教育が普及しつつある」として、情報科目が「大学教育を受ける上で必要な基礎能力になる」と説明しています。
この動きについて、ネットで調べた進学塾の分析によると次のようなことが書いてありました。
いかに実社会で通用するIT知識があるかを問う問題
設問の内容が理解できていれば、新聞やネットニュースのIT関連の記事がほぼ理解できるようになる
プログラミング言語を知っている必要があるというよりは、プログラミングの基礎的な考え方を押さえていることが重要
統計データを読み取り、そこから何が分析できるかという能力が問われる
「情報」のサンプル問題はこちら
この「情報」という科目ですが、大学入試センターが「情報」のサンプル問題を公開しています。ご興味のある方はこちらからどうぞ。
私も印刷してやってみました(笑)
プログラミングとは
プログラミングという言葉をよく聞くようになりました。教室でも何年か前にエンジョイコースの中で「プログラミングを体験してみよう」ということで、皆さまに体験していただきました。
小学校の授業にプログラミングが取り入れられ、高校でもプログラミングの授業が始まります。「プログラミング」とは「コンピュータに命令する」ことです。コンピュータは自分で考えることができないので、細かく指示を出して手順を教える必要があります。
では「プログラムを組める人」を学校では教育していこう、ということなのでしょうか。将来はプログラマー、っていう人材を増やそうということ?
プログラミング的思考とは
どうもそう話は単純なものではないようです。実はプログラムを作る上でかかせないのが「プログラミング的思考」といわれるもの。
プログラミング的思考とは物事を考える時に
「どういう動作が必要か」
「どういう順番か」
「どう組み合わせるか」
「どうするのが効率的か」
を理解し、目的を達するためにどのようにして答えを導きだしたらよいかを論理的に考えていく力のことです。
毎日無数の情報が飛び交う時代に生きている子供たち。生まれた時からスマホがあり、SNSもネットも当たり前のように生活の中にある世代です。
これからの時代を生きていく子供たちには、情報リテラシー(情報を十分に使いこなせる能力)が必須となります。膨大な情報の中から自分にとって必要なものを判断できるか。目的のために情報を取捨選択できるか。その情報が正しいのかどうか、見極められるか。そうした中で、「なんとなく」や「勘」だけでなく、「論理的に考えてこっち」と答えが導き出せるか。
仕事や暮らしに活用するために、「論理的に考えて答えを導き出す力」が必要で、そのためにはプログラミング的思考を身に着けることが役立つというわけです。
この
「どういう動作が必要か」
「どういう順番か」
「どう組み合わせるか」
「どうするのが効率的か」
ということを順序だてて考える「プログラミング的思考」を説明するのに、「家事」や「料理」の手順に例えていたWebサイトが多かったのが面白かったのですが、私なりに考えてみるとこういうことかな。
プログラミング的思考で家事をお願いした場合
例えば夫に「それ洗って片付けておいて」といっても、通じないかもしれない。あるいはいろいろ聞かれて作業が進まないかもしれない。
あ~だからもう・・! となったり、これなら自分でやったほうが早いか?となったりするかもしれない。でも食器洗いをしたことのない人に「それ洗って片付けておいて」だけ言っても、お願いされた人もどうしていいかわからない。
初めての作業を、その人が分かるように説明するとなると、例えば・・・こんな感じかしら。
→スポンジにJOYをワンプッシュしてね
→ぬるま湯を使って洗ってね
→お皿は表も裏も洗ってね
→漆器はたわし部分でこすっちゃだめだよ
→大きい物から洗ってね
→お皿は立てておいてね
→食器は伏せて洗いかごに入れてね
→お箸類は最後に洗ってね
→同じものは重ねてサイズごとに洗いかごに伏せてね
→乾いたら食器ごとにまとめて食卓の上に置いてね
→食器戸棚の元あった場所にしまってね
ここまで細かく、やることとやる順番を言わないと伝わらないかもしれません。
それをもっと効率的にとなると
→流しに全部入れないでまずは右側のステンレス台に置いてね
→両手で食器を洗ってね
→洗ったものは左手で洗いかごに置いて
→その間右手は次の食器を取ってね、遊んでいる手がないように
→やかんを洗ったついでに浄水を入れてガス代へ
→洗いながら食後のお茶のためのお湯も沸かして
→洗いながら時々やかんを見張る
→洗っているそばから、手の空いてる人にキッチンクロスを持たせて
→洗いかごに伏せたそばからキッチンクロスで拭いていく
→食器洗い終わるころにお湯が沸いているのでお茶できる
・・・って感じかな(笑)
どの順番でやるのが一番効率が良いのか、を考えるのがプログラミング思考ということ。人にものを伝える時にも、相手にちゃんと伝わるように、内容や順番も考えなくてはいけない。そういう考え方なら、大人だって身に着けておいて損はなさそうです。
プログラミング的思考は誰しも身に着けておくといいと思うし、人にものを伝える時にも、この考え方は役に立ちそうだな、と思いました。