インターネットって何? どうやって説明しますか。

「先生、インターネットって何ですか?」

と授業の時に聞かれました。

80代の女性の生徒さんです。iPadのクラスにご参加の時のことです。

 

さて、皆さまなら何とお答えになりますか。

 

外部講習のお手伝いをしてくださる生徒さんに、アシスタントとして気を付けることをお話しする機会がありました。

その中で、このエピソードをご紹介しました。

同じように、皆さまだったら何とお答えになりますか?

と生徒さんにお伺いしてみました。

 

「情報が何でも調べられる、ということですよね。」

「世界中のコンピューターがつながっていて、何でも調べられて」

「検索できる便利なページ、とか?」

「ニュースが見られる便利なもの、とか?」

 

そう。私も生徒さんがお答えになったように、

「いつでも、どこでも、何でも調べられますよ。

ニュースなどもすぐに見られますよ。」

というお話をしたわけです。

そうしたら

 

「そうなんですか。

それで何を調べるんですか?」

 

「何を調べる・・・・?!」

さあ、何てご説明しましょうか?

 

説明する私はインターネットは情報を何でも調べられて便利で、と思っているわけです。

パソコンじゃなくてiPadの授業の時ですから、いつでも手元で調べられるのです。

それが便利だ、とご説明すると「本当にそうですね」とたいていの方はおっしゃるのですが

「何を調べるんですか?」というご質問に

「何でも調べられる」と言っても、全然ピンと来ませんよね。

 

みなさん何を調べるの? と不思議に感じていらっしゃる方に

「何でも」調べられる、とお話しても「まあ、便利ねえ」とは絶対になりません。

インターネットが便利だ、なんて思っているのは講師の先入観です。

それが手元で調べられる、パソコン付けなくていいんだから、便利ですよね、なんて

まったく講師の先入観です。

iPadが便利だと言いたいがための、誘導尋問みたいなものです。

いけないねえ、こういう考え方じゃ。

 

 

とはいえ。せっかくiPadを習いに来られているわけです。

どうしたら楽しいって思ってもらえるかしら。

 

・・・さて困った(笑)。授業中だし。

でも講師ですから、何らかのお答えをしたいわけです。

 

 

授業の時、特に初めてお会いする方々の場合には、軽く自己紹介をお願いしたりします。

また、授業前の時間を利用して、こちらからご挨拶をして、すこしお話をしたりします。

 

その時に、どんな方なのか、どんなことがお好きなのか、ご趣味などは、などお伺いできるときは伺っておきます。

またお話の最中にも情報が入ってきます。

おしゃれがお好きな方なのかなあ、手作りのものを持っていらっしゃるなあ。

関西ご出身かなあ。赤がお好きそうだなあ。

このブランドがお好きなのかなあ。山登りがご趣味かしら。

ファッションから、お持物から、雰囲気から、いろいろなことを感じ取ったりもします。

そうしたことが、後々授業に効いてくるのです。

 

インターネットは何でも調べられて便利だ。

とお答えしても、

「何を調べるの?」と調べたいものがなければ、インターネットをやる動機が薄くなってしまう。

 

「ニュースが見られて便利ですよ」とご説明しても

「わたくしニュースはテレビで見ますから、必要ないんですよね。」

とおっしゃいます。確かに。。。

 

 

授業ですから課題のキーワードを入力して、検索を楽しんでいただくことを予定しているのですが

この方の場合、「それで何が便利なんでしょうか」という素朴なご質問なわけです。

だって、初めてインターネットに出会うのです。

それが便利なのかどうか、それはこちらの価値観の押し付けという場合もあるわけです。

さて、どうしよう。

 

 

そうだ。この方、長らくソシアルダンスをやっておられたとおっしゃっていた。

ダンスの発表会で有名な先生と踊ったことがあるって、おっしゃってた!!

 

「Kさん、これ(iPad)でA先生が見られるんですよ。」

「え?! ここにA先生が出てくるの?」

「そうなんです。A先生の名前を入れて検索すると、

たくさん出てくるんですよ」

「まあ、本当? 見てみたいわ」

 

賭けです。

A先生が有名だとして、検索すれば絶対出てくるはず。

 

出てこいA先生!

検索ボックスに「A先生」のお名前を入れて、検索。

「お願い。。。。来い!

A先生来い!!

と祈るような気持ちでキーを押します。

 

 

出た!!

と、心の中で小さくガッツポーズです。

A先生ありがとう。出てきてくれてありがとう!

よかったー、出たよ出た。

 

「まあ、この方なのよ。

素敵でしょう、この先生。

私、踊ってもらったのよ、この先生と。

まあ、写真がこんなにたくさん見られるのねえ。

これが家でも見られるの?

まあ、すごいのねえ。」

「もっとありますよ」と私。

「これがいつでも見られるの? このiPadで?」とKさん。

 

そうですよ、そうですよ。

A先生はいつでも好きな時に

テレビには出せませんからね。

 

こうしてKさんに、インターネットがどんなものなのか、

「いつでも好きな時に」「何でも」調べられる、っていうことを体験していただきました。

あ~よかった。

好きなものをお伺いしておいてよかった。

 

情報収集はいついかなる時でも大事なのです。

私はこの時、ばっちりA先生に助けられました(笑)。

A先生ありがとう!

 

そしてそのKさん、今ではiPhoneに取り込んだご自身のソシアルダンスの写真を使って、ムービーなどを作って私に見せてくださるまでになっております。

素晴らしい。

好きなものって、ものすごい動機になるのです。

その人が何でスイッチが入るか、それを探るのも講師の仕事の一つ。

本当にそう思ったエピソードでした。

 

 

 

 

 

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 この記事を書いた人:増田由紀 

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2000年に千葉県浦安市でミセス・シニア・初心者のためのパソコン教室をオープン。 スマホは生活に役立つ道具、道具は使いこなしてこそ。電話とLINEだけじゃもったいない!とスマホの活用法を広くご紹介しています。
入門書の執筆、記事監修、講座企画、デジタルやSNSが苦手な人のためのビジネス活用コンサルもしています。
スマホ関連の連載や記事監修、取材歴はこちら→(ハルメク、クロワッサン、通販生活、ゆうゆう、家の光、FPジャーナル、介護セブン、素敵なあの人、七緒、女性自身、朝日新聞、家庭画報、日経ITPro、日経新聞、日経トレンディ、NHK、NHKラジオ、日本テレビ、フジテレビ、TBS、テレビ朝日、東京MXテレビ等)。
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