こんにちは。オンラインで学べる、大人のためのスマホ&パソコン教室
(www.pasocom.net)代表で、スマホ活用アドバイザーの増田由紀(@yukinojo7)です。
和風なものと嵐が大好きです。シニア世代の方々のスマホレッスンをやったり、スマートフォンやLINEの入門書を書いたり(Amazon著者ページはこちら)、仕事で使いたいのにSNS活用が苦手な方のためのお手伝いをしたりしています。
このブログでは、日々感じるスマホの活用法や私なりの工夫、IT技術の話などをメインに、なるべくわかりやすくお伝えしようと思っています。
月刊で発行している教室情報誌「なでしこ」では「用語辞典」というコーナーがあり、一つの言葉を取り上げて解説をしています。
今月取り上げた用語は「エコーチェンバー現象」。
今月号で取り上げた「情報リテラシーを高めよう」とも関係する言葉ですね。
このエコーチェンバー(Echo chamber)は訳すと「反響室」という意味。もともと音響効果や実験をするために、周囲の壁面の音の吸収をできるだけ少なくして、人工的にエコー(反響)を作り出すように工夫した部屋のことです。
そして「エコーチェンバー現象」とは、主にインターネットやSNSでコミュニケーションをする際、人々が、自分と同じ考えや意見を持つ人たちとだけ交流し、他の考えや意見に触れなくなる現象です。
SNSなどでは、自分と似た興味関心を持つユーザーをフォローして交流します。それはSNSの楽しい側面です。
しかしその中で「特定の意見や思想」ばかりを見聞きし、その中に偏った意見や情報があった場合、それが増幅されて他の異なる意見や情報がかき消されてしまう、という特徴があります。
それを「閉じた小部屋(反響室)で音が反響する物理現象」に例えた言葉が、エコーチェンバー現象です。攻撃的な意見や誤った情報が広まる一因とみられています。
例えば、ある人が○○が好きだと思って、SNS上で「○○が最高だ!」って言っていると、その人の周りには「○○は最高!」と同じ意見の人が集まってきます。その人は「○○が最高!」という考えをさらに強く持つようになります。
自分の好きなことを、同じように好きな人との交流は楽しいものですよね。
でもそんな人がある日「○○よりも△△の方が素晴らしい!」という意見を目にし、「え!?それは間違っている!」と批判したり、「○○のよさがわからないなんて、頭がおかしいんじゃない!?」と過激なことを言うようになったりします。
自分たちと異なる意見に対して攻撃的になってしまう、これが問題点なのです。
大切なのは、「世の中にはさまざまに異なる意見がある」ことを知り、それを尊重すること。
そして情報源を増やし、いろいろな視野を持つことです。そうすることで、新しいことを学んだり、新たな視点が持てたり、人の気持ちや考えを理解したりできます。
エコーチェンバー現象は、災害時や大きな事件の起きた時、また政治に関するニュースなどで起きやすくなるといわれています。
どんな時でもやはり「情報は冷静な目で賢く見極める」ことが必要ですね。