小さい頃の出会いが、大好きなものにつながることがある

先日、夫のお友だちが講師を務める「仏像うんちく講座」に参加してきました。

講師を務めたのは、iden麻布サロンの茨木敏郎さん。

茨木さんのFacebookはこちら

普段は、人にものを伝える技術をレクチャーされています。

長年温めてきた「仏像に関するうんちくをお話しする講座」を、この度開催されたということです。

どうして仏像が好きになったのか？　そのきっかけが３歳の時にさかのぼるというのです。

このお面がきっかけですって。

近くのおもちゃ屋さんに飾ってあった、般若のお面。これにいたく興味をそそられて、これが欲しくなったそうです。

「マグマ大使のお面と間違えていたのかもしれません」とのこと（笑）。

般若のお面を３歳の子に買うご両親も、おもしろいですけれどね。

すると、おもちゃ屋の店主さんが、お面の一覧のパンフレットのようなものをくれたそうです。

男の子は収集の趣味がある？　ということでそのお面を一つずつ見たくなった、欲しくなった。

そうして、５歳の時に大好きになったお面がこれ。伐折羅大将（ばさらたいしょう）

これの本物を見に行きたいと、ご両親に何度も何度もお願いしたそうです。

小さいころから奈良に行き、仏像を見続けているうちに、仏像に詳しくなったそうです。

奈良にはもう100回近く行かれているとのこと。

幼いころに手にした般若のお面が、そのあとずっと大人まで続く「好き」を作り出したんですね。

そのお話に、とても興味を持ちました。

さて、自分の好きなものって何だろう。

小さいころから好きで、大人になるまで続く「好き」って何だろう。

私は着物が好き。

きっとそれは、ここからじゃないかな。

小さいころに初めて着た晴れ着。

おばあちゃんのところにお嫁さんが来ることになりました。

そのお迎え役は親族の小さな女の子がやることになっていて、初孫の私と妹がその役に。

その時に初めて着せてもらった晴れ着。

これが私の着物デビューです。

おばあちゃんが着付けてくれたそうです。

着付け終わって、私が「ハーァー」って大きなため息ついたから、おばあちゃんは「窮屈だー」って言うんだろうな、と思ったそう。

そうしたら、私「あースッキリした」と言ったそうです。

「あんた、変わっとるなあ（笑）好きなんやなぁ」とおばあちゃん。

何となくその時のことを覚えています。

布に一枚一枚くるまれて、大事にラッピングされた、そんな感覚。

きれいな布で包んでもらって、帯でしっかり結んでもらって、髪飾りを付けてもらって。

可愛いバッグを持って、なんだかウキウキの気分だった。

ところが、妹は早く脱ぎたくて脱ぎたくて仕方がなかったらしいです。

写真を見ても、妹は嫌そうな顔をしていて、私はうれしそうな顔をしている。

私はでけるだけ長く着ていたかった、っていう記憶がある。

私の着物好きは、ここから始まってるんだと思うなあ。

その時、お嫁さんを迎える役をやることがなければ、晴れ着を作ってもらうこともなかった。

親族の小さな女の子というのが、たまたま私たちしかいなかった。

そういう偶然が重なって、私は初めての晴れ着を手にした。

これも、おばあちゃんのおかげだね。

小さい頃に着たはじめての晴れ着も、二十歳のステキな晴れ着も祖母が買ってくれました。

なぜそれが好きになったのか。

きっかけはさまざまだと思います。

何となく、としか言いようがないけれど。

子供のころの出会いが、一生を通じて何かを好きになることもある。

だから小さいうちからいろんな経験をしておくといいですね。

小さな種が、どこで芽を出すかわからないものね。

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