スマホ活用アドバイザー増田由紀ブログ「グーなキモチ!」

緊急事態宣言って何? 考えて備える・行動する

こんにちは。人生しくなる、大人のためのスマホ&パソコン教室
オーナー兼スマホ活用アドバイザーの増田由紀です。

緊急事態宣言とは

東京都の小池知事が昨日記者会見をしました。
この週末にも、緊急事態宣言が出されるのか?
外出が規制されるのか?
ロックダウンがあるのか? 
何事も初めてのことで、よくわかりません。
そこで、いろいろ調べてみました。

▼ロックダウンとは

ロックダウンって何? 各国の様子をネットで知る、情報は自分でも調べられるようにしておこう(2020/3/18)

 

「緊急事態宣言」も、何となくわかるようで、はっきりとはわからない言葉です。
こういう言葉に出会うことが最近多いです。

 

この新型コロナウイルス感染症、非常事態宣言を出す案件となるのかどうなのか。
3月13日には、今までの法律が一部改正さました。

▼新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法) 

(法律第4号。令和2年3月13日公布、3月14日施行)

新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案

内閣法制局のページより

 新型コロナウイルス感染症の発生及びそのまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、この法律の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法に規定する新型インフルエンザ等とみなし、同法に基づく措置を実施する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

新型インフルエンザ等対策特別措置法(←PDFで読む)

 

 

緊急事態宣言って、いったいどんな時に発令されるの?
今回の新型コロナウイルス関係で、発令されるの?

▼緊急事態宣言を発令するには

新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)の対象に、新型コロナウイルスによる感染症を加える改正法が、13日の参院本会議で成立した。

まずこれで、新型コロナウイルスが原因での緊急事態宣言が発令される準備は整ったことになります。

同改正法では、緊急事態宣言を発令するには、次の2つの条件がそろっていることが必要です。

1)国民の生命や健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある、

2)全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある、の2要件を満たす必要があると定められている。

緊急事態宣言が発令されれば、都道府県知事が国民、企業に対して様々な要請をすることができます。

 

小池都知事の記者会見では「自粛の要請」

小池都知事は25日夜、緊急の記者会見を開き、

「感染者の爆発的増加を防ぐために皆様のご協力が何よりも重要。危機意識を持って行動していただけるよう改めてお願いする。

「週末は急ぎでない外出は是非とも控えていただくようお願いしたい」

「いまの状況を感染爆発の重大局面ととらえていただきたい」

と述べ、強い危機感を示しました。
また、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控えること。
今週末は不要不急の外出を控えること。
外国から帰国した人は帰国から14日間、外出を自粛すること。
大学などでは新学期の開始時期を遅らせること。

などの対策を要請しました。

 

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年3月25日)

記者とのやり取りの中で、何度も「自粛をお願いする」「自粛を要請する」と述べています。

【記者】無観客試合やライブハウスなどへの自粛要請を行っていくということであったが、無観客にしていくと事業者側からすると収入が減っていくということがあるが、補償などはお考えなのか。

【知事】この補償等については、まず、自粛をお願いするということです。補償等については、税金を投入するということについて本当に正しいのかどうか、議論のあるところかと思う。まずは、自粛を要請しているところです。

【記者】知事、今回のは呼びかけということでしょうか、要請ということでしょうか。

【知事】これについては、自粛を要請しています。今、世界は、非常に厳しい方法で、ロックダウンということで、よく報道されているとも思います。
一方で、我が国においては、様々な法律や規則などで、自粛をお願いするという体制になっています。ただこれは、法律を超えてというか、ここまでは法律的にOKで、これは違うというよりは、むしろ、どうやってこの難局をみんなで乗り越えていくかという皆様方の自覚を促すということが必要だと思っており…。

 

海外のように、外出したら罰則規定があるなどの、締め付けのきつい指示ではないように感じます。

自粛要請ですから、強制力はないということですね。

自粛要請で、強制力がない

みんなはどうしているかリサーチしながら、自分もそうしておくか・・・と判断する。これが日本らしい考え方というのか。

あるいは、国が「集まってはだめ」と命令することは、戦時中のように国民の行動が制限されることになり、「日本国憲法21条に規定される、集会の自由・結社の自由といった、国民の基本的な自由の権利を侵害する恐れがある、ととらえるのか。

戦時下で、主義主張の異なる団体の集まりを国が禁止されるという経験を、私たちの先輩たちはしてきましたからね。

 

先日首相が「一斉休校」を「要請」しました。これは国からの命令ではありませんでした。

それでも多くの市町村はそれを受けて、学校を休校にしました。
休校にしなかった市町村が目立つくらい。
何しろ初めてのことですから、右へ倣えではないですが、みんながそうしているからそうしておこう、という考えが働くのも無理からぬことです。

むしろ休校にしない市町村の方が「○○市は休校にしないんだ?!」とニュースになるほどです。

自分で考え、自分で行動、ということができるのは成熟した国家・国民と言えるとは思いますが、各人の判断でとも言っていられないくらいの事態が起きれば、この「緊急事態宣言」が発令されるのではないでしょうか。

ただし特措法があっても、強制的に外出を禁止することや、店舗等の休業を命じることは、日本ではできないようです。
店舗側は「自粛」を余儀なくされる、といってもいいでしょう。

どこも開いていないのに、自分のお店だけ開ける。それはある意味、とても勇気がいることです。

今後、緊急事態宣言が発令されたらどうなる?

緊急事態宣言は、首相が宣言します。期間や区域が決定されます。

宣言で特定された区域の都道府県知事は、さまざまな要請や支持ができます。

・住民に外出自粛、感染の防止に必要な協力を「要請」
・多くの人が集まる施設「使用の制限」等。要請の対象となる施設の使用制限などの「要請」や「指示」

▼要請の対象となる施設は?

かなり細かく規定されていますね。

 

建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えるものに限る。

  1. 学校
  2. 保育所、介護老人保健施設その他これらに類する福祉サービス又は保健医療サービスを提供する施設
    (通所又は短期間の入所の用に供する部分に限る。)
  3. 大学、専修学校、各種学校その他これらに類する教育施設
  4. 劇場、観覧場、映画館又は演芸場
  5. 集会場又は公会堂
  6. 展示場
  7. 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
    (食品、医薬品、医療機器その他衛生用品、再生医療等製品又は燃料その他生活に欠くことができない物品として厚生労働大臣が定めるものの売場を除く。)
  8. ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。)
  9. 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場
  10. 博物館、美術館又は図書館
  11. キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設
  12. 理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
  13. 自動車教習所、学習塾その他これらに類する学習支援業を営む施設
  14. 第三号から前号までに掲げる施設であって、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えないもののうち、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の発生の状況、動向若しくは原因又は社会状況を踏まえ、新型インフルエンザ等のまん延を防止するため法第四十五条第二項の規定による要請を行うことが特に必要なものとして厚生労働大臣が定めて公示するもの

 

▼必要な措置とは?

  1. 新型インフルエンザ等の感染の防止のための入場者の整理
  2. 発熱その他の新型インフルエンザ等の症状を呈している者の入場の禁止
  3. 手指の消毒設備の設置
  4. 施設の消毒
  5. マスクの着用その他の新型インフルエンザ等の感染の防止に関する措置の入場者に対する周知
  6. 前各号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の感染の防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するもの

 

緊急事態宣言が出されたら

法に基づいて首相が緊急事態宣言が出されたら、都道府県知事が「外出自粛」「各施設の使用制限」などを要請することができます。

 

首相が緊急事態宣言をする。期間や区域を決定する

  ↓

該当区域の都道府県知事が措置を出す

1)不要不急の外出の自粛(要請)

2)学校や保育所などの使用停止制限(要請)。応じない場合は指示も可能

3)音楽やスポーツなど大勢の人が集まるイベント開催制限(要請)。応じなければ指示も可能

 

要請期間は21日程度が適当としています。
これは健康観察期間の14日や感染から報告までの平均期間7日を考慮したもの。

 

外出を控えることになってから、慌てて足りないものを買いに行っては、同じことを考える人たちと行列に並ぶことになって、かえって人ごみに自らをさらすことになり本末転倒となります。

買い占めでも買いあさりでもなく、日頃から少しずつ必要なものを買い足していって、行列に並ばなくてもよいように備えましょう。

何事も「急に」「たくさん」やるから、物流に支障が出たり、ものが足りなくなったりするのです。
意識して、少し前から備えることが必要です。
それは行列を減らすことにもなります。
そして、用意がなく行列に並ばなくてはいけなくなった人に、その時間も商品も譲ることができます。

日頃からの情報収集を怠りなく、人より先に行動する。
特別なことをするのではなく、少し先回りして行動する。
そうして、お互いが「時間」も「もの」も譲り合って、この事態を乗り切りたいと思います。

 

行列を減らすための準備としての備蓄 農林水産省のページより(2020/3/21)

 

 

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