向島百花園に行ってきました。
東京にもいい場所がたくさんありますね。
訪れたのは「花下遊楽図屏風」を見るために。
「花下遊楽図屏風」は国宝で、国立博物館に展示してあります。
右隻は、満開の八重桜の下で貴婦人を中心に酒宴が繰り広げられるさまを、左隻は、花咲く海棠の木の下で八角堂に坐り、風流踊りを眺める貴公子の一団を描く。特に、美しい衣裳を着て腰をひねって踊る姿態は印象的である。刀をもって踊る左隻右側の4人の姿は、流行の阿国歌舞伎を写したものとみられる。
人物は画面に対して相当大きく表され、爛漫の春を楽しむ人びとの姿そのものに、画家の興味が向けられている。こうした人物への関心が、やがて寛永期の優れた風俗画に引き継がれていく。
ではなぜ向島百花園で?
それはこんなイベントがあったから。
「さわれる国宝を楽しもう ~賞道のいろは~」
講師の小林泰三さんは、夫の広告の時の同級生。小林美術科学の代表をしておられます。前回のイベント参加が面白かったから。
小林さんは美術品をデジタル技術を駆使して復元するという「デジタル復元師」というお仕事をされています。
絵巻物を体感!自分だけの映画館。日本美術をさわって見る。(2017/5/31)
今回の「花下遊楽図屏風」は、淀君のお花見の様子を描いたものと言われています。
関東大震災の時に屏風の一部が焼失したのですが、白黒写真が残っていて、それをデジタルの技術で復元されました。
背景には、当時一般的であった金碧を用いず水墨画の技法を生かしていること、両端に巨樹を配して構図を整えていることなど、表現はむしろ古様である。作者は、印章によって、狩野永徳の末弟、長信(1577-1654)と知られ、制作年代は不明であるが、慶長末年から元和初年(1610年代)とする説もある。もと、明治の実業家原六郎の所蔵であったが、修理の最中に関東大震災に見舞われ、右隻中央の2扇が焼失した。
こうした古い屏風は、今では博物館のガラスの中にある「美術品」ですが
本来は「道具」。間仕切りだったり、飾りだったり。
実際の生活の中で使われていたものだったのです。
しかも作られた当時はもっとはっきりとした色であり、屏風のジグザグは、遠近感をもたらし、見る人をその風景に引き込んでしまったこたおでしょう。
大ぶりの枝は、ジグザグに建てた屏風の上で、まさに枝を広げたように見えたでしょう。
座って生活する暮らしの中で、ふと屏風の登場人物たちと目線が合うこともあったでしょう。
だからこのイベントでは図屏風の前に座って、目線を合わせて楽しみます。
電気のないお部屋では、ろうそくの明かりでこんな風に見えた、とLEDろうそくを使って
その場面を再現します。
お弁当を運んでいる侍女でしょうか。これから楽し気なお花見が始まりそうですね。
こちらも誘われて、花見の宴に出かけたい気分になります。
色褪せた屏風ではなく、くっきりと描かれていたその当時の屏風。
だからこそ、ろうそくの明かりでも、はっきりとその姿を楽しむことができます。
こちらが、今回の図屏風をデジタル復元した小林さん。
しかも今回は、図屏風に描かれている淀君(茶々)といわれる貴婦人の、赤い打掛も復元。
着物の模様もデジタル復元して、着物にプリントしてあるのです。すごい。
さらに! その打掛にそでを通すことができました。うれしい!
「苦しゅうない、近う」って雰囲気を出してみました。
あ~、ちょっとお姫様になった気分が味わえた(笑)。
こういう体験型イベント大好きです。
出来たらずっと着ていたかったなあ。でも順番ね。
夜の雰囲気で、部屋のふすまを閉じて、ほのかな灯りでも撮影。手にLEDろうそくを持ってみました。
女性陣が次々と羽織る中で、せっかくの機会ですから男性の方もどうぞ、と小林さん。
多くの男性がこんな感じで撮影してました(笑)。
ガラスケースの中の美術品ではなく、手に取って、体験して、日本美術に親しめる。
そんなイベントが、小林さんの主宰する「賞道」(しょうどう)です。
また次回も楽しい企画を考えておられるようです。楽しみにしています!
小林さんの会社、「小林美術科学」のページはこちらです
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