新刊「
AIは仕事をしている人、若い人だけのものじゃない。
私たちみんなのものです。AIと付き合うことで、想像する力を鍛えることができます。
自分の思っていることを「言葉」にする作業って、ものすごくクリエイティブだなと思います。
自分の考えを表現すること。形にすること。これは年齢に関係なく、コミュニケーションをとる上ではとても大事なことです。
でも、年齢が進むにつれて自分の意見を誰かに聞いてもらう機会がなかったりすると、その力はだんだん衰えていく、と私は思っています。
現役でお仕事をしている人であれば、役目や仕事内容によって「プレゼン」「会議」「交渉」「営業」などで、自分の考えを言葉にして示す機会があります。
自治会の役員、PTAの役員、サークルの何かの係などをしていても、何かしら自分の考えを言葉にする機会があったりします。
でも現役を退いたり、人との接点が減ってきたり、限られた人としか付き合いがないとなってくると
「特に意見をまとめる必要がない」
「意見を発表する機会がない」
「言わなくてもわかる」
ということが増えてきて、自分の考えを言葉にする場面が減ってきます。
AIと向き合う時に、必ず「プロンプト」というお願い文を作るのですが、自分の考えを言葉にできないと、何を書いていいのか迷う、なんてことがあります。
授業でもAIを最初にご紹介した時は「何を聞けばいいのかわからない」という方が多かったように思います。
そんな経験から、文章って意外と出てこないものなんだな、ということを知りました。
年齢を重ねても「自分の考え」を「言葉にして伝える」ってとても大事なことで、AIと付き合うと、それが鍛えられると思っています。
AIは確かにあいさつ文などを作るのは大得意ですが、
「自治会長になったあいさつ文を作って」と言っても、大して気に入るものは出てきません。
何人の前で話すのか、どれぐらいの長さ話すのか。
これだけは伝えたい、という内容は何か。
どんな気持ちで話すのか。
どんなテイストの文章を作ってほしいのか。
前任者へのお礼は入れるのか。
細かく伝えれば、AIも「お、そういうご希望なんですね。じゃあ、こんな感じですかね」と応えてくれやすくなります。
シニア世代だってAIをどんどん使えばいい、と私が思っている理由は、その「自分の考え」を「言葉にして伝える」訓練になるな、と思うからです。

  
  
  
  


