日経BP社の原稿を書いたり、雑誌の原稿の赤入れをする日が続いています。
私が書いた日経さんの原稿には、編集のSさんから、たくさんコメントが入ります。
「ここはどういう意味ですか」
「ここにこれを持ってくるのはどういう意図があるんですか」
「こちらよりこれの方がよくはないですか」
そんなコメントが入ることももちろんあります。
「これはこういういみです」
「おっしゃる通りです、直します」
「これはこういう意図なので、このままにします」
と、私も返します。
私の原稿を最大限尊重してくれつつ、直しも入るのです。
「あー、確かに。ここはそうした方がわかりやすいよね。」と思ったり、
「そうじゃないんだなー、ここはこういきたい」と思ったり。
私が彼を説得できるだけの理由があれば、ちゃんと残してもらえますし、事情を説明して
「先生がそうだというなら、そうなんでしょう。わかりました」と言ってくれることもあります。
私も妥協しないし(笑)。
というやり取りを、電話じゃなくて、紙の上でやるのです。
コメントという吹き出しに対して、コメントで返すのです。
そうすると、紙の上でお話ししているみたいな感じになります。
それから、彼が入れてくるコメントで、「そうか、そういう風に考えるんだ」と、その人の思考回路を垣間見た気分になったりします。
繊細な人なのか、大胆な人なのか、そういうコメントに現れる気がします。
ということは、相手も同じ。
私がどんな風に考えるのか、伝わるのではないかな、とも思います。
二人で「ですよねー」と意見があるときもあれば
「前はこうおっしゃってたと思いますが、今は違うんですか」とご指摘いただくことも。
紙の上だけど、同じものに向き合い、一緒に考えている感じですかね。
原稿書きは孤独な作業ですが、紙の上のやり取りは、そんな孤独な作業に、ちょっとした仲間ができた感覚で面白いです。